丸善雄松堂株式会社

学生への書籍直販の拡大に AppDynamics を活用

主な利点


問題解決に要する時間を 30時間から数時間に短縮


コロナ禍によって急増した需要と EC のキャッシュレス取引に対応


ビジネスレジリエンスと信頼性の向上により、大学および学生へのデジタルサービスを拡大


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東京を拠点に大学などの教育・研究機関向けに書籍販売を手掛ける丸善雄松堂では、大学内に販売会場を設けて学生に直接販売する方式が中心だった教科書販売を、オンライン化。AppDynamics により、アクセス数やハードウェアリソースのモニタリングだけでは判断できないアプリケーション性能の健全性を可視化しています。

どこで問題が起きているのか、今後どこで問題が発生する可能性があるのか、またそうした問題が IT 環境の他のコンポーネントにどのように影響するのかについてのアラートが AppDynamics から発せられるため、極めて短時間で問題を解決できるのです」

多名賀淳氏
丸善雄松堂 情報システム部 プロジェクトリーダー

課題

急激に需要が高まったオンラインでの書籍販売に、少人数のスタッフで対応。最高のユーザエクスペリエンスを提供するためには、より優れた洞察力を持ち、制御と柔軟性を高める必要があることをチームは認識するようになりました。

ソリューション

AppDynamics を使用することで、同社の IT チームは環境全体でリアルタイムの可視性を得て、詳細なアラートレポートを受け取ることができるようになりました。

結果

問題解決に要する時間が30時間から数時間に短縮されました。また、起こりうる問題を知見として蓄積でき、少人数での運用が可能になっています。

「システムの状態を客観的に説明できることが特に重要でした。さまざまな問題が同時に発生した場合、その影響はどの程度なのか、AppDynamics が数値で示してくれます。これは、システムリソース増強の必要性の裏付けとしても利用できます」


多名賀淳氏
丸善雄松堂 情報システム部 プロジェクトリーダー

課題

学生向けに 24 時間 365 日のサービスを直接提供

東京を拠点に大学などの教育・研究機関向けに書籍販売を手掛ける丸善雄松堂では、2018 年から教科書のオンライン販売インフラを構築・運営してきました。ただし、オンラインでの売り上げは伸び悩み、従来の販売方法から大きく変わることはありませんでした。ところが 2020年、突如として、オンラインでの書籍販売が強く求められるようになりました。パンデミックの影響で、大学がオンライン授業へと移行したためでした。

同社の教科書販売プロセスの主流は大学内に販売会場を設け、学生に直接販売する方式が中心でした。新学期は教科書販売の繁忙期でもあり、教科書を求める学生の長い列は日本の大学の風物詩でもあります。しかし、このような学生への対面販売には、いくつかの課題が生じるようになっていました。丸善雄松堂の情報システム部門でプロジェクトを推進する多名賀淳氏は、「大学内の会議室などを借りて販売するのですが、この場所の確保が難しくなっていました。さらに学生が長蛇の列を作ることに良い顔をしない人が多く、また教科書販売は現金が主流なのでセキュリティ面での心配もありました」と語っています。

そこで同社では 2016 年よりデジタル トランスフォーメーション(DX)プロジェクトの一環としてオンライン販売システムの構築に着手し、2018 年から運用を開始しました。学生にいつでも教科書を販売できるインフラが整ったのでした。

ソリューション

ユーザエクスペリエンスに対するフルスタックの可視化によって急速な変化を事前に察知

丸善雄松堂の情報システム部のメンバーは 3 名。この人数で 24時間365日稼働するシステムを管理しているのです。実際、2018 年にオンライン販売を開始してすぐに大きなトラブルが発生したときには、問題の原因究明だけでも24時間以上、解決までにトータル40時間近くを要したと言います。EC サイトの重要度が増す中、最高のユーザエクスペリエンスを提供するためには、より優れた洞察力を持ち、制御と柔軟性を高める必要があることをチームは認識するようになりました。

同社では 2019 年から AppDynamics を導入。AppDynamics を使用することで、同社の IT チームは環境全体でリアルタイムの可視性を得て、詳細なアラートレポートを受け取ることができるようになりました。

「対面販売と EC では全く異なるビジネスです。EC ではユーザーエクスペリエンスが切り離されていて、管理も難しいところがあります。チームの人数が限られていても、24 時間体制でモニターし、稼働を維持して、お客様が必要なときに必要なものを確実に入手できるようにする必要があります」と多名賀氏は述べています。

デジタル決済システムの負荷が急増したときにも、シームレスでスムーズなオンラインのカスタマーエクスペリエンスを維持できました。多名賀氏のチームは AppDynamics を用いて、決済処理の遅延やサーバの処理速度の低下などのパフォーマンス低下の兆候を把握していたため、問題の根本原因を素早く追跡し、AppDynamics で得られた情報を部門間で共有し解決することができたのです。平均解決時間(MTTR)が30時間から数時間へと、約 95% 短縮することができました。

「AppDynamics により、アクセス数やハードウェアリソースのモニタリングだけでは判断できないアプリケーション性能の健全性を可視化し、EC サイトにおけるユーザの体感レベルを網羅的かつリアルタイムに把握できます。起こりうる問題を知見として蓄積できることは、少人数での運用にとって重要です」

多名賀淳氏
丸善雄松堂 情報システム部 プロジェクトリーダー

利点

予測が難しいトランザクションにも対応。スピードと信頼性を備えた新たなビジネスモデルの構築

多名賀氏は次のように述べています。「どこで問題が起きているのか、今後どこで問題が発生する可能性があるのか、またそうした問題が IT 環境の他のコンポーネントにどのように影響するのかについてのアラートが AppDynamics から発せられるため、極めて短時間で問題を解決できるのです。すべてが 1 つのソリューションを介して接続されているため、依存関係と問題が起こりやすいところを簡単に視覚化できます。」

同氏は、AppDynamics を使用することで、大学と学生のニーズの変化に対応できるようになったとも述べています。オンライン販売を求められたときにも、また急激なトランザクション増加にも迅速に対応できました。加えて、大学ごとに発注のピークが異なるため、システムの過負荷の予測が難しいなかで、AppDynamics はおおいに役立つと言います。

多名賀氏は「システムの状態を客観的に説明できることが特に重要でした。さまざまな問題が同時に発生した場合、その影響はどの程度なのか、AppDynamics が数値で示してくれます。これは、システムリソース増強の必要性の裏付けとしても利用できます」とAppDynamics導入のメリットを述べています。

丸善雄松堂について

東京に本社を置く丸善雄松堂株式会社は、大学をはじめとする全国の教育・研究機関への学術資料の提供や、図書館などの教育機関の運営業務受託サービスなどを提供しています。

まったく新しいアプリケーションの監視