インフラ監視の概要およびベストプラクティスとユースケース

インフラ監視とは、企業のコンピューティング ネットワークを構成しているシステム、プロセス、機器のデータをリアルタイムに編集するソリューションです。

IT インフラストラクチャ モニタリング ツールは、インフラストラクチャ コンポーネントに関連する情報を自動的に収集して評価します。そのため IT チームは、パフォーマンスに関する問題の根本原因を効率的かつ効果的に解消できます。

アプリケーション インフラストラクチャをプロアクティブに分析することで、パフォーマンスの問題が緊急事態となる前に予測/特定し、ネットワークリソースが意図どおりに動作していることを確認できます。2014 年に Anthesis Group とスタンフォード大学が実施した調査 [英語] から、大規模データセンターのサーバの最大 30% でトラフィックが生成されない、または一切処理が発生しないのに稼働して電力が浪費されていることがわかりました。インフラストラクチャを適切にモニタすれば、非生産的なサーバの維持に伴う時間、コスト、スペースの無駄を省けます。


IT インフラ監視の主な要素

最新の IT インフラストラクチャは複雑なため、停止時間を短縮して稼働時間を長くするには、インフラストラクチャの管理を支援するパフォーマンス モニタリング ソリューションが不可欠です。効果的なインフラストラクチャ モニタリング ソフトウェアは、主に次のような要素で構成されています。

優先順位に基づいて通知するインテリジェントアラート機能

インフラストラクチャ コンポーネントが多くなるとアラートが絶え間なく発生し、関連性のない大量のデータですぐにあふれることになります。ユーザが定義したパラメータや人工知能によって特定の問題を優先させることで、DevOps 部門の時間と労力を、停止やダウンタイムにつながる重大な問題のトラブルシューティングに充てられます。モニタリングに必要なテクノロジーは 1 つのシステムにすべて集約され、柔軟に利用できます。包括的なインフラストラクチャ モニタリング プラットフォームでオンプレミスやクラウドのサーバをモニタしたり、AWS や Azure などのハイブリッド環境を 1 つの中央システムでモニタしたりすることで IT 環境全体を管理し、ネットワーク全体の問題に関するデータを収集できます。リアルタイムに情報通信を行うコンポーネント型インフラストラクチャは、複数の要素が連携して全体を構成しています。そのため、精密機械のように、1 つの歯車が故障するとプロセス全体が停止する可能性があります。ただし、どの部分が故障しているかを正確に特定することは困難です。インフラストラクチャ モニタリング システムは、パフォーマンスの全体像を把握できるように、個々のコンポーネントに関する情報と、アプリケーション、オペレーティングシステム、サーバ、仮想化システム、ストレージなどが全体としてどのように連携しているかについての情報を提供します。汎用性も重要な要素です。IT インフラストラクチャ モニタリング ツールの中にはベンダーの特定の製品に関連付けられているものがあり、将来プラットフォームを変更しようとしても、汎用性がないためにシームレスに変更できない可能性があります。ネットワーク モニタリング ソフトウェアをローカルにインストールするか、SaaS ベースのモニタリングツールを利用するかは、企業における IT 運用のニーズと対応力に応じて決める必要があります。


インフラ監視の種類

エージェントベースのモニタリングとエージェントレスのモニタリングのどちらにすべきかは、管理者とエンジニアの間でよく問題となります。どちらのアプローチにも長所と短所があり、最も幅広く対応するには両方を組み合わせることが必要です。

エージェントレス モニタリング

エージェントレス モニタリングは一般的な方法です。SNMP、WMI、SSH、NetFlow などのさまざまなプロトコルを利用して、システムデータと統計情報をモニタリングソフトウェアに送信します。組み込みのモニタリング機能によって、エージェントを追加せずにインフラストラクチャの情報をモニタして管理できます。

ネットワーキングデバイス、サーバ、フローデバイス、ストレージデバイス、VMware や Hyper-V などの仮想マシンはすべて、エージェントレス モニタリング機能を備えた一般的なコンポーネントです。優れたインフラ監視システムは、エージェントレス コンポーネントを一元管理できます。

エージェントベース モニタリング

エージェントベースのモニタリングの多くは特定のプラットフォーム専用に設計されています。モニタリング対象と連携するようにプログラムされ、より多くのデータを収集して分析できます。

ベンダーに特化したプログラミングをすることでより詳細なデータが得られますが、独自仕様のため、すべてのデータを別のプラットフォームに移行することは困難です。インフラストラクチャのコンポーネントがエージェントを使用している場合は、モニタリングシステムがそれらのシステムと互換性があるかどうかも評価する必要があります。


インフラ監視のベストプラクティス

モニタリングシステム自体だけでなく、その導入と管理も非常に重要です。以下のベストプラクティスを参考に、お客様のビジネスニーズに対応できるインフラ監視ツールをセットアップしてください。

  • アラートの優先順位付け:最も緊急性の高い通知を判断し、各通知に関する詳細なアラートを設定します。これにより、システム停止やエンドユーザの操作性悪化につながる問題を見逃すことがなくなります。

  • トライアルの実施:どれほどよく考えられたシステムであっても微調整が必要です。実際に緊急事態が発生する前に、アラートシステムが適切に機能するか確認してください。

  • 冗長性の確保:オンプレミスとクラウドベースのソリューションを組み合わせて使用することで、あらゆるリスクに対応します。また、データセンターが複数ある場合は、各センターをモニタしてセキュリティを強化します。

  • サポートサービスの利用:ベンダーには、サポートスタッフ、コンサルタント、ヘルプセンターが用意されています。質問がある場合や問題が発生した場合にサポートサービスを活用し、自社のリソースを有効に活用しましょう。

  • メトリクスの確認:パフォーマンスメトリクスを定期的に評価します。当初のしきい値や設定が、今後もそのまま有効だとは考えないでください。最適なパフォーマンスを確保するために定期的に評価する機会を設けます。


インフラ監視とインフラ管理の違い

インフラ監視とインフラ管理は、どちらも同じように思われるかもしれませんが、同じではありません。

  • インフラ監視は、企業のコンピューティングシステムのさまざまなコンポーネントに関連するデータを収集して評価します。その結果、問題を特定して通知します。

  • インフラ管理はその通知を受けて問題の影響を調査し、問題を軽減または改善する方法を評価します。

効果的なインフラ監視は、インフラ管理を最適化するための重要な要素です。両方とも、実際のビジネスの生産性と収益性を確保するために不可欠です。

 


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