ネットワークパフォーマンス管理(NPM)概要

アプリケーション パフォーマンス モニタリング(APM)を活用すれば、潜在的な問題を特定して最適な利用環境を整え、オンラインでのシームレスなユーザエクスペリエンスを実現できます。

ボトルネックやネットワークの問題は、エンドユーザだけでなく、業務運用を維持するための内部タスクにも影響を及ぼします。ネットワークパフォーマンス管理は、そのような問題を特定して削減するためのプロアクティブなソリューションです。

 


ネットワークパフォーマンス管理(NPM)が重要な理由

最新の IT インフラストラクチャは、かつてないほど複雑になっています。さまざまなコンポーネントが個別に機能したり、連携して機能したりすることで、ネットワークパフォーマンスの改善、生産性の向上、ユーザエクスペリエンスの強化を実現しています。テクノロジースタックのローカルでの密度が高まる一方、サードパーティの SaaS アプリケーションの利用も進んでいるため、包括的に可視化することが課題となっています。いずれかのコンポーネントでパフォーマンスの問題が発生すると影響は広範囲に及び、しかもその範囲は変動するため、原因を特定するのは困難です。

ネットワーク管理には、ネットワーク インフラストラクチャの各要素のパフォーマンスメトリクスを評価して、内部動作に関連する問題を軽減することも含まれています。IT チームは、パフォーマンスデータをリアルタイムにモニタしたり、パフォーマンスログを確認したりすることで、機能が停止したり、ユーザエクスペリエンスに悪影響が及んだりする前に、問題の根本原因を特定できます。

また、エンドツーエンドの可視性と実用的なインサイトにより、ネットワークに起因するパフォーマンスの問題をプロアクティブに解決できます。

システムが短時間中断するだけでも、生産性、利益、顧客満足度の低下につながる可能性があります。顧客の誘導を Google 検索に頼っているのであれば、お客様のデジタルアセットは、一貫して正確に機能していなければなりません。

 


ネットワークパフォーマンス管理(NPM)の要素

ネットワークパフォーマンス管理には、ネットワークのパフォーマンスに影響を及ぼす問題を解決するための、ポリシー、ワークフロー、ネットワーク運用を確立することも含まれています。どのような管理手順を設定して適用するかは、ビジネスにおける具体的なニーズによって大きく異なりますが、次のネットワークパフォーマンス管理活動は、パフォーマンス問題が発生するリスクや、発生した場合の影響を軽減しながら、IT 運用を改善するのに役立ちます。

適切なデータを収集する

適切なパフォーマンスメトリクスを収集して確認することは、効果的なネットワークパフォーマンス管理の重要なステップです。複雑なネットワークではさまざまなデータが生成されるため、その情報を手動で精査してパフォーマンス問題を解決する手がかりを特定することは困難です。

ネットワーク モニタリング ツールを利用すれば、パケット損失、ネットワークトラフィック分析、ネットワークノードの停止状況、SNMP パフォーマンス、帯域幅の使用状況などに関連するデータを調べることで、プロセスを効率化できます。関連する情報は、評価のために各チームに転送されたり、機械学習、人工知能、AIOps によって分析されたりします。

メトリクスを把握する

ネットワークの運用にはさまざまなコンポーネントが関連していますが、ネットワーク モニタリング ソリューションを利用すれば、多くのパフォーマンスメトリクスを収集し、IT スタックの状態に関するさまざまな情報を得られます。マルチレイヤネットワークを最も包括的に把握できるメトリクスを特定すれば、問題が頻繁に発生するパフォーマンス領域を重点的に確認できます。IT チームは、そのデータを利用してネットワーク管理ポリシーセットを作成することで、問題を軽減して、生産性やユーザエクスペリエンスを高められます。

自動的にデータを収集する

パフォーマンスの問題パターンを特定するのに時間がかかる場合があります。効果的なネットワーク モニタリング ツールでは、問題が発生した状況などの関連情報を含め、すべてのパフォーマンス問題が記録されます。以前発生した問題のログを確認できるため、より詳細な調査やモニタリングが必要な問題領域を特定できます。

セキュリティの問題を把握する

ネットワークのパフォーマンスが低下した原因が、マルウェアなどのセキュリティ脅威であることが多くなっています。セキュリティ脅威は、ネットワークとビジネス全体ですぐに大きな問題になる可能性があります。セキュリティ侵害に伴う時間やコスト、評判の悪化による影響は、甚大になりかねません。マルウェアや保護されていないネットワークデバイスなど、ネットワークの脆弱性を検出できるネットワーク モニタリング システムを導入し、エンドユーザや機密データが影響を受ける前に、問題点を管理して被害を防止するための手順を策定する必要があります。

 


ネットワークパフォーマンス管理とネットワーク パフォーマンス モニタリングの違い

「ネットワークパフォーマンス管理」と「ネットワーク パフォーマン スモニタリング」という用語は似ているため、同じ意味で使用してしまいがちですが、これら 2 つの概念は関連しているものの、目的や用途は異なります。

ネットワーク パフォーマンス モニタリングは、ネットワークパフォーマンス管理の一部として、ネットワークの各コンポーネントのメトリクスを収集、測定、診断するプロセスを含んでいます。モニタリングには監視と情報の検証が必要です。

管理は、収集された情報の評価が行われた後のプロセスです。パフォーマンスを最適に維持したり改善したりする役割を担い、そのために、一連のポリシー、手順、ワークフローが割り当てられています。ネットワーク パフォーマンス モニタリングは監視と情報の収集を行い、ネットワークパフォーマンス管理は、収集した情報を検証することで得られた知見に基づいて意思決定を行います。

効果的にネットワークパフォーマンスを管理するには、常にネットワーク パフォーマンス モニタリングが必要です。問題の根本原因を特定することは、問題の影響を軽減し、将来の問題を防止するために不可欠です。両方の概念を活用することで相乗効果が得られますが、それぞれ独自の手法を採用しているため、成果は異なります。

 


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